異業種ビジネスからヒントをもらおう

 


[NO.3]

●1日分の野菜が摂れる・・・リンガーハットの新メニュー

半長崎チャンポン、半レタスチャーハン、餃子6個、大塚製薬の野菜ジュース「野菜の戦士」、これで1日に必要な野菜量350グラムが摂れるというセットメニュー(800〜900円)の発表があった。6月だけの期間限定メニューという。健康志向時代にふさわしい企画ではないか。早速食べに行ってみたら、セットの仕組みに感心させられた。

     

 大塚製薬の「野菜戦士」に付いてきたしおりを見ると、これ1本で1/2日分(175グラム)の野菜が摂れます、とありました。1日に必要な350グラムの野菜が摂れる、これを売り物にしながら、リンガーハットは、ジャスト半分を他社製品に頼っているわけです。上手い企画ですね。客単価を上げるためにセット化を考えた、セット化のコンセプトを野菜摂取量においた、自社商品だけでの限界は他社商品で補う・・・ということでしょう。感心しました。
 何かと言うと「自己完結型」習性がある農業界からみると、違和感を感じるかも知れませんが、これが「企画」なのです。

 

●機能性あらずんば飲料にあらず・・・「食の機能性」を提案する

血糖値の上昇を抑える、体脂肪を燃えやすくする、レタス1個分の食物繊維・・・今や飲料は、アピールできる機能性がなければ、生き残れないような状況になってしまった。「食の安全・安心」への決め手が見えない一方で、「食の機能性」はどんどん市民権を得ている。農産物が「機能性アピール競争時代」を迎える日は近いかもしれない。

     

 農産物の機能性研究を小さな組織でやるのは至難の技でしょうが、テレビや新聞、雑誌などの「料理や健康」をテーマにしたものを、徹底的にチェックするという方法があります。「この食材は、こう調理すれば機能性が高まる」「AとBをいっしょに摂ると効果が倍増する」などの情報は、その気になればいくらでも集められます。
 これを直売所に掲示したり(スーパーで良く見かけますよね)、産直箱の手紙に添えたりするのはどうでしょう。この手法、お金がかからず、気軽に始められるのですが、どういうわけか、実践している人が少ない。狙い目です。

 

●8年間もお買い上げ無しの顧客宅へ来るダイレクトメール

北海道・網走の水産会社から中元と歳暮時期にDMが来る。旅行で網走を訪れた際、カニの宅配を頼んだだけであり、以来8年間、一度も注文したことがないのに毎年来る。どうやらこの会社は時期が来ると自動的に発送し、注文があったかどうかのチェックはしていないらしい。こうなると、商品までいい加減そうだと思えてしまう。

     

 発送する側は、いちいち宛先に思いを巡らしているわけはないでしょうが、受け取る側は、個人感覚で受け止めてしまいます。これもDMが持っている一面です。こういうDMの宿命を理解していれば、文面や表現方法に工夫が施されるはずですが、ほとんどのDMは「皆さまに申し上げます」方式。個人的に口説かれている風情がまったくありません。
 それでなおかつ、8年間もノーチェックらしいとなれば、悪口のひとつも言いたくなりますね。明らかなデータで裏付けられた話ではありませんが、3年間注文がなかったら、DM発送を検討してみる潮時と言えそうです。

 

 

鈴木 肇(すずきはじめ)

(株)ジャパン・アグリ-カルチュア・マーケティング&マネジメント(通称jamm)取締役(企画担当)。1968年(株)博報堂入社。農業プロジェクトに関わり、農林水産省のグリーンツーリズム研究員、21世紀村づくり塾アドバイザーとなる。1999年同社を退職、農村報知新聞社の編集顧問に就任。

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