異業種ビジネスからヒントをもらおう

 


[NO.6]

●「保存料を不使用・お早めに召し上がれ」という不健康商品? ・・・ギフトセット

ハム・ソーセージ、漬物などの詰め合わせギフト。どれも賞味期限が短く、毎日毎日、期限が来てしまうというものも少なくない。高齢者だけの世帯も多い時代に、早く食べろとせかされても限界がある。一品一品は健康志向設計だろうが、詰め合わせで来て、急いで食べよと強要されるとなると、これはもう「不健康商品」になってしまう。

     

 「一度にできる限り量をまとめて売る」これは効率的な販売方法かもしれませんが、ニーズの多様化、客層の細分化が激しい今、それ一辺倒でこの厳しい販売合戦を乗り切れるでしょうか。
 イトーヨーカドーが今夏、ブドウ一房を1/2、1/3にカットした小分け販売を積極的に展開したそうです。一房販売では約600グラム、単価は700〜800円前後になるブドウを250〜300円で販売。大いに受けたようです。「効率良く売りたい量」と「客が望んでいる量」との
乖離。この違いにいかに早く気がつくか、勝ち組、負け組の差は、このあたりにもありそうですね。

 

●地名イメージ=歴史、文化、景観などを活かしたブランド戦略 ・・・源吉兆庵

岡山市の和菓子製造・販売の源吉兆庵(みなもときっちょうあん)が展開するブランド戦略はユニークだ。「鎌倉 源吉兆庵」、「奈良 香寿軒(こうじゅけん)」、「京都 菓匠清閑院(せいかんいん)」。日本を代表する古都名を取り入れ、その地のイメージを商品名に、商品づくりに活かしている。この手法は海外ブランドから学んだという。

     

 成功した海外ブランドは、パリ、フィレンツェ、ニューヨークなど発祥地のイメージ(歴史、文化、景観など)を巧みに取り込み、活用している。これに着目した同社は10年前、「鎌倉 源吉兆庵」を皮切りに、地名を活用したブランド戦略、営業戦略に踏み切ったそうです。
 地域の風土・文化がネーミングを始め、商品戦略、ブランド戦略、営業戦略に活かせるとなると、一番ふさわしいのは、農産物でしょう。各地で、他産地や輸入品との差別化を目指したブランド戦略の取り組みが盛んになっていますが、その際、地域名、地域の風土・文化が活用できないか、まずここから考えてみてもいいかも知れません。

 

●その商品価格は、どんなアピールを狙っているのか ・・・お土産の価格

総額表示を機会に、さまざま、バラバラになってしまった店頭価格を、コンビニ各社が「切りのよさ、統一感」で修正し始めた。ローソンは5円、10円刻みに、セブンーイレブンは5円刻みに、ファミリーマートは端数を0、5、8に統一。これらを原則にするという。狙いは店頭の統一感だけではなく、顧客の「暗算のしやすさ」もあるそうだ。

     

 価格の設定は、原価積み上げ方式で決まるのが圧倒的でしょうが、それでいいのですか、といつも思うのが、お土産向けの地域特産品です。
 一口にお土産といっても、家族へのお土産、真面目なお土産、義理的お土産といろいろあります。購入目的によってサイフの緩み方が違うから、せめて大・小というの商品構成、それに伴い価格も2段階で設定すればといいと思うのですが、大半の特産品は容量・価格とも一種類です。
 チャンポン・皿うどんチェーンのリンガーハットには、レギュラーサイズ(390円)よりちょっと少な目の300円商品があり、高齢者連れの家族に好評だといいます。典型的な「複数価格効果」といえそうです。

 

 

鈴木 肇(すずきはじめ)

(株)ジャパン・アグリ-カルチュア・マーケティング&マネジメント(通称jamm)取締役(企画担当)。1968年(株)博報堂入社。農業プロジェクトに関わり、農林水産省のグリーンツーリズム研究員、21世紀村づくり塾アドバイザーとなる。1999年同社を退職、農村報知新聞社の編集顧問に就任。

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